野良猫の糞尿などが原因で人間に感染する病気

猫とはいえ、野良猫は野生動物です。野生動物の糞尿を始め噛まれたりひっかかれたりすると重大な病気の原因になる可能性があります。

実際、2022年に沖縄でレプトスピラ症が原因で男性が死亡しました。

たかが野良猫の糞尿と甘く見ていると、取り返しのつかない病気・感染症にかかり大変なことになる可能性があります。

レプトスピラ症感染症法で第4類感染症に指定されている細菌性人獣共通感染症。発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・腹痛などの症状がでます。風邪のような症状から黄疸・出血・腎不全などの症状が出て重症化することがあります。
狂犬病恐水症や錯乱などの神経症状、発症するとほぼ100%死亡
パスツレラ症皮膚の受傷部の腫れや痛み、肺炎などの呼吸器症状
慢性の気管支炎の人は、この菌を吸い込んで呼吸器感染症となり慢性化することもある。
皮膚糸状菌症皮膚のかゆみ、フケ、脱毛
丸い赤みや水ぶくれ
猫ひっかき病2 週間の潜伏期間の後、引っ掻かれたり、咬まれたりした部分が発熱し、数週間から数ヶ月続くリンパ節の腫脹。稀に脳症を併発
トキソプラズマ症リンパ節が腫れる
妊娠が感染すると流産胎児の先天性障害(脳症、水頭症、発育不全など)が起きる場合がある。
Q熱潜伏期間がおよそ2~3週間で、症状は、発熱、筋肉痛、呼吸器症状などインフルエンザ様です。
心内膜炎を主な症状とする慢性型に移行する場合もあります。
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症発熱や倦怠感、重症になると敗血症髄膜炎
意識混濁にまで陥り、最悪命にかかわることもあります。
サルモネラ症8~48時間で、腹痛、下痢、発熱などが起こり、重傷になると粘血便を排泄します。
カンピロバクター症1~7日で、発熱、倦怠感、頭痛、めまいなどが起こり、次いで吐き気、腹痛が起こります。
回虫症(幼虫移行症)虫卵が腸の中でふ化し、回虫の幼虫が肝臓・眼・神経など全身の内臓に移動して、視力障害運動障害肝機能障害などが起こる場合があります。
クリプトコックス症中枢神経症状(髄膜炎、脳炎など)を起こす場合があります。
その他、ニキビ・様皮疹・毛包炎・潰瘍肉芽腫・ぶどう膜炎など。
重症熱性血小板減少症(SFTS)発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状。
重症化すると死亡
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症最近死亡例が報告された感染症
咽頭痛、咳、扁桃や咽頭への偽膜形成や白苔が見られる。重篤化すると呼吸困難を起こし、死に至ることもある。呼吸器以外に皮膚病変やリンパ節腫脹などの症状が出ることもある。
リステリア症脳脊髄炎、敗血症
エルシニア・エンテロコリティカ感染症胃腸炎、下痢
仮性結核胃腸炎、虫垂炎
かいせん皮膚の強いかゆみ、脱毛
細菌性赤痢発熱、下痢、急性大腸炎
カプノサイトファーガ症人では風邪のような症状で重症化すると敗血症髄膜炎などが起こることがあります。動物は無症状です。
重症熱性血小板減少症候群発熱や消化器症状、神経症状
猫回虫幼虫移行症回虫が体内を移動し、行き着く先が目なら斜視や失明、肺なら喘息になることも。初期症状として、下痢や吐き気が起こる場合もあります。
瓜実条虫症下痢やおう吐をすることがあります。
野良猫から人間に感染する感染症